
文・写真 Toshiki Minamiguchi

いつしか、筆記具を複数分けて持つようになった。
メモ帳にはブラックとレッドのボールペンをひとつずつ差し、鞄の中にはサブのボールペンをひとつ、しのばせている。
いくつか鞄を持っているのだけど、使う使わないにかかわらずそれぞれに一本はかならずペンを入れている。
ふと、メモしたいと思った時にペンがない、ということが多すぎたので、あらかじめ保険をかけているのだ。
こういうところだけ慎重なのだ。もっと大事なところが抜けてたりすることは多々あり、よく注意されるのだけど。
メモしなくても、本当に良いアイデアだったら、忘れてもまた思い出すよと言われるけど、たしかにそれは正しい。が、私の場合は、アイデアをおもいつくと、調子に乗ってしまい、ついついそのアイデアについてあれこれ考えはじめ、没頭してしまうことになるので、メモというよりはなにかを書きはじめることになり、ながながと書くとなるとまたたいへんなので、それをまた短めに要点だけをメモするようになる。
というような、かなりややこしいけど、ようするにメモがないとやっぱり不安なのだ。
記憶力は悪くない方だと思っているが、すぐに忘れてしまう方なので、やはりメモが必要になる。
ただ、ペンはあってもノートがないこともあるので、いろいろとたいへんだ。
で、布製の筆入れ。
この筆入れについては、私は子供の頃に使っていた記憶がかすかに残っている。しかし、いつ、どこで使っていたか、これは自分で買ったものなのか、それとも親に買ってもらったものなのか、その時、新品だったのか、おさがりなのか、よく憶えていない。
思い出そうとすると、それが記憶なのか想像なのかもあいまいになる。困ったもんだ。
忘れっぽい上に、ああ、メモしておけばよかった、と思うのである。
Right, there is nothing. #7 2009.6.6
