
文・写真 Toshiki Minamiguchi

人生はよく旅にたとえられる。べただけど、ほんとうに、そう思うようになった。
私は旅することが好きなので、ということは、つまり人生に対しても前向きな考えを持つことができるのではないかと思う。
ただ、そう思うようになったのは、ついこの間のことだ。それまでは人生っておもしろいこともあるけどつらいことの方が多いよなあ、とか、そのような感じで人生というものをとらえていた。
だけど、べただけど、ほんとうに旅みたいだと思ったとたんに毎日が旅の途中のようになった。
そこにはアクシデントもあればラッキーもあるわけで、ひどく好奇心がかきたてられる。
初めて出会う人もいれば再会する人もいるわけで、人に助けられたり手を差しのべてあげたりもするわけで。けっこう体力も頭も使ったりするわけである。
人生のゴールは天国だということを耳にしたことがあるけど、その、死がゴールだとすれば、ぼちぼちと生きたほうがゴールになかなか辿りつかないので長生きできそうだ。
思う存分、道草くって生きたほうがいいかなあとか思うのである。そうだ、人生は道草だ。これはなかなかいい。
最近はホテルに泊まったとしても用事が多くてほとんどメールチェックと寝るだけになってしまっているけど、もっと若かった頃はホテルに泊まることがあるとよくホテル内を探検したものだ。
べつになにをするわけでもないのに、ひたすら歩くのだ。まるで猫がはじめての場所に放たれた後のように、あらゆるところをくまなく確認するかのように。そんなにかわいいものではないか。
好奇心のなせるわざ。そう、今も旅の途中だ。この後なにがはじまるのかはまだ誰も知らないのだ。
Right, there is nothing. #9 2009.6.17
