
文・写真 Toshiki Minamiguchi

先日、コピーライターの眞木準さんの訃報を知り、あまりの突然さににショックを受けた。
眞木準さんといえば、私からすると手の届かない偉大な存在の方で、実際にお会いしたのはたった一度きりだけど、いつも憧れの方でそばにいてくれていると勝手に思っている。
コピーライターになりたての頃、眞木さんのコピーに憧れて、いろいろと代表作を写経してみては、そのコピーの精度の高さにうちのめされていた。
そして、その頃、何を痛切に感じたかというと、私にはまったく手のおよばない、さらに言えば自分とはまったくタイプの異なる方であるということだ。
これは、たとえ真似てみたとしても、とうてい真似できるものではないということだ。
だから、私はその時点で、眞木準さんには追いつけない追い越せないと本能的に悟ったのだ。
このように書いていると、すごくえらそうだけど、はっきり言って、月とスッポンみたいなものなのである。
じつは、事務所名のファーブル企画室は、おそれおおくも、眞木準企画室から拝借している。勝手にだけど。こそっと。良いコピーが書けますようにと。
よく人から「ファーブルってなぜなんですか?」と質問されることがあるけど、「企画室ってなぜ?」と聞かれることはほとんどない。
個人的には、この「企画室」、もう少し正確に言うと「室」に思い入れがあったりするのだけど。
ファーブルは、道でクワガタムシを拾ったので、それにちなんで、アンリ・ファーブルからファーブルとさせていただいた。これも勝手に。でも、ファーブルも気に入っている。たまに「親戚ですか?」と聞かれることがあるけど、どう見ても私は日本人なんだけど。
私には私にしか書けないコピーがあるはずだ。そうでないと、だめなはずなのだけど、まだまだ私にはハードルが高すぎる。がんばります。
Right, there is nothing. #10 2009.6.28
