
文・写真 Toshiki Minamiguchi

前々回はカメラのことで話を書いたけど今回は三脚のことを書いてみたいと思う。
カメラの三脚は、ふつうに考えると、あくまでカメラのアシスタントである。
まさに、カメアシ、だ。
撮影するときに被写体がぶれないように固定したり、ま、カメラを安定させたり、諸々の役割を果たすために存在している、と、思う。
つまり、カメラが存在しないと、三脚も存在しないということになる。
もしも、世界中どこをさがしてもカメラが存在しないのに三脚だけが存在していたらどうだろうと考えた。
ひとついえることは、誰も三脚のことを三脚だとは気づかないということだ。
三脚といま呼んでいるが、三脚という言葉すら存在しないのではないか。三本足で立っている頭のないやつである。折り畳まれていたらもっと何者かわからない部品だ。
おや。つまり、マジンガーZの体みたいなものじゃないか、三脚って。
カメラがその機能を最大限発揮できるように、撮影者または表現者が、三脚にカメラを設置する。サイコーの写真を撮影できるようにと。
高低だってかんたんに調節できるし、手で持って運ぶことだってできるし、敵に襲われたら盾にすることだってできる。サバイバルにも使えそうだ。
そんな三脚をカメラで撮影してみた。
カメラをそおっと後ろにスライドさせて三脚に気づかれないようにシャッターを押してみた。
まさか自分が撮影されているなんてしらないだろうし、撮影される理由もこれまで考えたこともないだろう。でも、撮影されるべきものなんて、誰がきめたわけでもなく、存在しているはずだ。本人も考えたこともなくただそこにあるだけなのかもしれない。
Right, there is nothing. #16 2009.8.9
