
文・写真 Toshiki Minamiguchi

マックを使ってデザインすることが普通になった今ではグラフィックデザイナーでも版下を見たことのない人もいるだろう。
印刷入稿だって、今ではデータ入稿しているけど、以前は版下で入稿をしていた。
色指定やらを付けてである。
文字だって写植を打っていた。
まだ写植屋さんという職業が立派に成り立っていたのだ。
デザイナーがフォントやQ数を指定して、写植を発注し、出来上がったらアシスタントとか新人のコピーライターとかが写植屋さんまで走って取りに行ったりするのである。
テキストも今ではパソコンで打ってデータで渡しているけど、もともとは手書きだったし。
私はワープロを使って書いていたけど。
その理由はいたって単純で、字がへただからである。
へたでも味わいがあったりするならまだいいけど、そういうわけでもない。
ある日、クライアントのコピーチェックでただひと言、字がきたない、と朱書きが入っていたのは今でも鮮明に憶えている。
ていねいに心をこめて清書したにもかかわらずだ。
ワープロなら誰が書いてもそんなに大差はないだろう。フォントの種類とかサイズが違うとかくらいだろう。
ただキャッチフレーズだけは手で書いてた時期が長かった気もする。今では平気でマックで打つけど。
でも、たまに手紙を出すときは手書きなので、やはり、へたな字が再発する。でも、そこは、気持ちがいちばん大事だからと字は見ないふりを決め込んでいる。
Right, there is nothing. #17 2009.8.14
